私の夫は料理がまったくできません。
私は料理が好きなのであまり気にならなかったのですが、やはり夫も少しは料理を作れることが理想だと思うようになりました。
私は休日に手の込んだ料理をよく作るのですが、夫が「美味しい」と言ってくれるのは嬉しいのですが、何を作っても「美味しい」なので張り合いがありません。
夫が少しでも料理に興味があればもっと会話も深まって楽しいだろうな…
残念なことに、夫は料理に対して食べる専門なので、作ることに関しては全く興味がありません。
「この夫を選んだのも私だから仕方が無い」
と、私のはかない夢は諦めていました。
そんな夫ですが、私に初めて料理を作ってくれたことがありました。
今でも夫と喧嘩した時など、その時のことを思い出して夫を許す気になれます 笑
今回は当時のことを簡単にご紹介したいと思います。
風邪をひいた妻に夫が作ってくれた「インスタントラーメン」
ある日私が風邪をひいて寝込んでしまった時がありました。
キッチンに立つことが難しかったので、夫に「何か出前でもとって食べてね」と言ったんです。
すると夫が「俺が何か作ってやる」と言ったんです。
(え?今なんて言ったの!?)
自分の耳を疑いました。
夫が作れる料理なんてありません。
目玉焼きさえ作れないハズ…
一体何を作る気だろう…
39度を超える高熱とガンガン痛む頭で考えましたが、何も思いつきません。
不安になりながら二階の寝室で寝て待っていると、なんと夫がインスタントラーメンを持ってきたんです!
(ネットで調べるなんかして、食べれそうなお粥でも作ってくれるのかな?)
と少し期待したのですが、なんだか拍子抜けしました。
お盆を見ると、卵やネギがいっぱい乗ってはいましたが、間違いなくインスタントラーメンでした。
そして夫はドヤ顔で、「食べろ」と私に言ったのです。
(こっちは高熱で食欲がないのにインスタントラーメンか…)
普段なら絶対に食べないような物です。
しかし夫が作ってくれたこと自体が奇跡なので、この気を逃したら二度と夫の手料理なんて食べる機会はない…
(せめて一口だけでも…)
と思い食べてみました。
妻のために行動してくれた夫の行動が嬉しい
正直、特別に美味しいワケでは無く、予想を裏切らない普通のインスタントラーメンの味でした。
しかも弱った胃に優しいとは言えない食べ物かもしれません。
それでも、夫が慣れない手つきで作ってる様子を想像しながら食べていたら、食が進みました。
気付けば完食していたのです。
ラーメンを食べきった私を見て夫は満足げな様子でした。
その後、アイスノンを持ってきてくれたり空調を気にかけてくれたり等、何かと私を気遣ってくれました。
後日知ったのですが、夫がここまでしてくれたのには理由がありました。
中学生の娘に
「お父さん、お母さんが具合悪い時ぐらい、お世話したら?いつもお世話してもらっているんだから」
と強めに言われたらしいです。
また、夫自身も40代になり無理の利かない身体になってきたので、
「次は自分が体調を崩すかもしれない」
と思ったら、私にも優しくしないといけないと思ったそうです。
若い頃に比べると、ときめきや甘い言葉なんてなくなってしまいましたが、
「いつのまにか家族としての強い絆ができていくんだな」
と思って嬉しくなりました。
熱のある時に夫から作ってもらったインスタントラーメンの味が今でも忘れられません。
やたらしょっぱくて、舌がビリビリするような香辛料でお世辞にも美味しいとは言えない味でした。
それ以上に夫が絶対にやらない料理を私のために作ってくれた、と思うと心が満たされるような感覚になりました。
“愛情のこもった料理“はどんな名料理人でもかないません。
栄養価が高いと言えない料理でも、家族愛で私の免疫力が上がったのでしょう。
夫の作ったラーメンを食べてから、みるみる私の体調が回復していったのです。
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