私には10年以上続けていて、これからも続けていくだろう習慣が1つあります。
それは35歳位の時から始めた『階段は駆け上がる』というものです。
始めたきっかけやその効果をご紹介したいと思います。
階段を駆け上がる:始めたきっかけは医師についた嘘から
なぜ階段の駆け上がりを始めたかというと、きっかけは会社の健康診断での医師とのやり取りでした。
その医師は、ちょっと怖そうで高圧的な態度の人でした。
問診票の「定期的な運動をしている?」の解答を〇にしていたので、「何をしてるんですか?」と医師から質問されたのです。
私は焦ってしまい
「階段をいつも駆け上がっています!」
と思わず口からでまかせを言ってしまいました。
住所も記入していたので、もしかして嘘がバレてしまう!?
と不安になりました。
医師に階段の話をした際、顔を見ると目が笑っていなくて「この体重で嘘だろ?笑」と言われたような気がしました。
その時にすごい自責の念にかられたのです。
来年もあの医師に当たらないとは限らないし不安に怯えて生活するのは嫌なので、この際、本当に始めてしまおうと決めました。
階段を駆け上がる:やるタイミングは通勤時間
階段を駆け上がるタイミングは会社の通勤時間にしました。
わざわざ運動のために出掛けるよりも効率的と考えたからです。
道中に数カ所、階段があるので駆け上がってみました。
やり始めた頃は、疲労感が強くて駆け上がるの3回に1回程度でした。
電車に乗る位置も変わりました。
乗り換え駅の改札に一番近い先頭車両の一番前のドアで構えます。
到着したら改札を一番に出て、エスカレーターには乗らず階段を先頭で駆け上がります。
先頭で駆け上がることにいつしか快感を覚えるようになりました。
単純に気分が良いのです。
何日かライバルが現れたこともありました。
同じドア近くにはいないのですが、後の方から近づく足音がします。
気配を感じて振り返えると30代くらいの男性でした。
見ると向こうも勝負の目になっているので、もう競争している気分です。
とにかく全力で突っ走っていき、次の改札を入ったところでその人が見えないと
「朝っぱらから俺は何をやってんだ…」
と急に我に返る日もありました。
階段を駆け上がる:思いがけない足の痛みが出現
階段の駆け上がりも慣れたある日の休日、妻と一緒に買い物に出かけた時でした。
休日でしたが出勤コースと同じ道を通ったので、いつものように「駆け下がり」をやらずにはいられませんでした。
考えるよりも体が先に動いてしまい、階段を駆け上がったところ、突然脚に「キーン」と電気がはしったような痛みがありました。
そして、登り切ったところでしゃがみ込んでしまったのです。
いつも上っていた階段だったので、なぜ急に痛みが走ったのか分かりません。
妻と一緒だったこと、いつもより多くの人が目の前にいたこと等の違いが知らないうちに体へ負担をかけていたのかもしれません。
特に、妻には駆け上がった後で
「俺、毎日こうやって階段を駆け上がってるんだ」
と少し偉そうにしてみたかったのです。
階段の駆け上がり:ロンドンでもやらずにいられない
ロンドンに家族で旅行に行った時のことです。
ロンドンの地下鉄の階段は恐ろしいほどに長いです。
休みなしで上りきることができるのか?
正直躊躇しましたが
「ここは日本人の意地を見せたい」
と気合を入れていつも通り駆け上がりました。
ロンドンの人はおそらく個人主義なのでしょう、すごい勢いで階段を一人で上っている人がいてもさほど気にしている様子はありませんでした。
階段は混んでいたので、私の家族はエスカレーターの列に並んでいるのが見えました。
「お父さんなにやってるの?」と子供の甲高い声がした後で「見るのやめなさい」という妻の冷静な声が聴こえます。
私はというと、涼しい顔で上昇して行く家族を前方に見ながら、とうとう体力が尽きて立ち止まってしまいました。
そんな少し恥ずかしい出来事も今では良い思い出です。
『階段を駆け上がる』を始めてからもう10年経ちます。
毎年の健康診断の問診では、医師から聞かれなくても
「毎日、階段は上るようにしています」
と自分で誇らしげに話しています。