日本で公開されたのは2017年です。
この作品は3Dストップモーションアニメーション作品です。
アメリカで作られた作品ですが、昔の日本が舞台になっています。
ストーリーは、『クボ』という不思議な力を使う少年が主人公の冒険物語です。
クボは母親と二人で洞窟で暮らしています。
三味線で折り紙を操る能力を村の人々に見せて生計を立てています。
実はクボは一族から狙われていて、いつも夕方までには帰るように母親に言われていました。
しかしある日約束を破って叔母にみつかって襲われてしまうのです。
そして助けに来た母親は命を落としてしまいます。
クボは母の言い付けに従い旅に出る事になります。
そこで仲間達と出会い大冒険が始まりまるのです。
この作品でまず最初に印象に残るのは、昔の日本を舞台とした映像の美しさです。
監督は「黒澤明監督」の作品を参考にしているだけあって、本の文化や「わびさび」に至るまで日本愛に溢れているのが分かります。
アメリカの会社が作ったとは思えないほど、細やかに昔の日本の風景が再現されています。
着物などもしっかりと描かれていて、まるでその時代にタイムスリップしたような気分になります。
イメージは鎌倉時代くらいだと思いますが、実際の特定の時代を再現しているというわけではありません。
そのためリアルとファンタジーが混じりあった不思議な映像になっています。
この世界観だけでもかなり魅了されてしまいます。
そしてストップモーションアニメーションの繊細な動きにもびっくりしました。
これは「人形や小物を少しずつ動かしながら、カメラを止めたり撮影したりを繰り返す気の遠くなるような労力をかけて作るアニメ」のことです。
ここまでの労力をかけるのも理由があります。
キャラクター達の動きが実に秀逸なのです。
日常的な場面やまたドラマチックな場面、アクションシーンの1つ1つが細部まで見事に表現されています。
正にキャラクター達が本当に生きていて、私たちの近くにいるかのように動いてるので見応えがあるのです。
ストーリーにも自然と気持ちが入り込んでしまいます。
物語はどんどん展開していき、迫力あるアクションシーンもあるので、夢中になって見ることが出来ました。
ファンタジックな美しい映像で繰り広げられられる大冒険は、目を離す暇もないくらいです。
お話は家族がテーマになっているので、子供だけでなく大人も感動すると思います。
映像が凄くて、アクションシーンも迫力があって、ストーリーも面白いという三拍子揃った作品になっています。
観ない理由を探すほうが大変です。
私が劇場で鑑賞した時は、エンディングロールが流れているのに、席を立つ人は2~3人だけでした。
皆さんが鑑賞後の余韻に浸っていたのです。
まだ観ていない人は本当にもったいないので、ぜひ見てほしい映画です。