『筋トレ』が失恋や借金苦から筆者を救ってくれたというお話です。
筆者は元々、車好きで低年収にも関わらずこれまで2~4年おきに車を買い換えていました。
ローン払いが前提だったのでさすがに中古車が多かったですが、年収が200万円台の時からまだローンが終わってないのに次の車を探しているような状態でした。
彼女ができた時は、さらに金使いが荒くなりました。
見栄っ張りな性格なので、彼女に良い所を見せようとして頻回にデートに行ってお金全てを出す生活。
「お金使いすぎじゃないか?」
周囲からそう心配されるほど、財布のヒモが毎日緩みっぱなしだったのです。
当時は頻繁に飲食店で飲み食いを行い、一晩で2~3万円なくなることが普通になっていました。
金銭感覚がいかれてました。
当然、貯金など出来るわけもなく、賞与のほとんどを借金返済に回していたようなクズ男だったのです。
その後、彼女に振られてしまい残ったのは借金だけ…。
今思えば、見た目も悪く中身のないクズ男が人生の脱落者になる典型的なパターンです。
彼女に振られてからは何に対しても意欲がおきず、夜になると大きな喪失感や虚無感が襲ってきました。
その苦しみから逃れようと、夕食の後は寝るまでの間ずっと色んな動画を観ていました。
ある日の夜、いつものように寝っ転がりながら動画を観ていた時に、初代タイガーマスクの試合を目にしました。
少年時代に筆者をプロレスの虜にした伝説のプロレスラーです。
初代タイガーマスクは当時、漫画の主人公でもありアニメにもなった男の子達の憧れのヒーローなのです。
「ああ~なつかしいな」
そう思いながらぼんやりと試合を観ているうちに、
「なんでこんな惨めな大人になっちゃったんだろう?」
今の自分が無性に情けなくなり、ひとりで泣きそうになりました。
ほとんど無意識だったと思いますが、動画を観ている途中でベッドから床に降りて腕立て伏せをしたくなりました。
顔を真っ赤にして必死にやったのに、10回するのがやっとでした。
ゼイゼイ言いながらベッドで仰向けになります。
(俺は低年収なくせに自己管理が出来きないし見栄っ張り)
(借金まで抱えて、腕立て伏せすら満足にできない格好悪い男だ)
(そりゃあ、彼女にも降られて当然だよ。)
自分を客観的にみたらもの凄く情けない男だったのです。
それと同時に、全てが変わったのもこの日でした。
「まずはだらしのない体を絞って逞しくなってやる!」
そう思い筋トレメニューをノートに作成し、自宅でできる自重トレーニングを始めたのです。
予算がないので、近所のフィットネスジムに通えるお金がなかったからです。
筋トレの内容は腕立て伏せや腹筋、スクワットなどありきたりな運動でしたが、地道にやっていれば効果はあるものです。
10回しかできなかった腕立て伏せも、2ヶ月続けていたら50回できるようになり、少しずつ自信がついてきました。
さらにスクワットをやっていると腰が軽くなってきて
「自分の周りにリモコンや携帯を置いておけば動かなくて良いし楽じゃん」
と面倒くさがりだった自分が、掃除も苦にならなくなって小まめに家の中を動き回るようになったのです。
その頃から、『ボディメイク』に関心をもつようになり「ダイエット」「筋肉」と検索し、体を変える情報を集めるようになりました。
・有酸素運動として外を毎日走る。
・プロテインを飲みタンパク質を補給する。
・ダンベルを購入して筋トレの幅を広げる。
ネットから情報を集めて最初に取り入れたのが、この3つです。
この頃から目に見えて体つきが変わっていきました。
とくに腹回りや下半身、顔の脂肪が取れてきて体脂肪もみるみる減っていきました。
これまで15㎏の減量に成功し、今でも体重は落ち続けています。
自分の体を鍛えることは精神衛生上、とても好ましいことです。
有酸素運動で日々のストレスは発散されますし、日々変わって行く自分の体に自信がついてきます。
それも当然で、毎日地道に努力して結果を出している自分を嫌いになれるわけがありません。
この頃には、彼女に振られた心の傷は塞がっていました。
また、これまでとは違う心の余裕が生まれ、周りにビクビクすることもなくなります。
具体的には、会社で相手から高圧的な態度を取られた時、今までは自信のなさから内心ビクビクしていましたが、今では
「なんだ、やんのかお前?俺に勝てんのか?」
という気持ちが生まれます(笑)
【お前の方が年収が高くても、お前は生物的に俺より弱いだろ?】
特に男性同士の場合は腕力が強い方が、相手より心理戦で優位に立てることも多いのです。
「戦ったらどっちが強いか?」
男性は無意識に比べているものなのです。
さらに『ボディメイク』に没頭するようになってから、自然と節約生活になりました。
タンパク質を多めに摂取したり、添加物のない食品、オーガニックなどを選ぶことが増えるので一見お金はかかります。
しかし、トータルではコストパフォーマンスが良いのが筋トレ・ボディメイクなのです。
脂質の多い外食はしなくなりますし、お菓子やジュースも買いません。
さらに筆者の場合、車や女性との交際費にお金を使いたいという欲求がなくなりました。
「車を乗り換える」「デートで散財する」という行為は、自分の自信のなさをごまかす手段だったのかもしれません。
基本的に体を鍛える行為は自分自身と向き合うことなので、他人のことはどうでもよくなります。
高校時代、担任の教師が
「幸せになるコツは他人と比べないこと」
と言ってましたが、この意味がようやく分かってきました。
いまでは付き合いで飲みに行くこともありません。
1回参加すれば1万円は平気で飛んで行くことを考えれば、これもかなりの節約になります。
そして、思っていたよりも“お金を使わない生活”と言うのは不快ではありません。
大量に消費しても、得られる幸せは一瞬で消えて行きます。
好きな物を好きなだけ飲み食いして幸せなのは、飲み食いしている瞬間だけです。
翌日から長い時間をかけて、食べ過ぎた代償を払っていかなければいけません。
一方で、筋トレやボディメイクは常に幸福感を感じれます。
1日何十回、何百回も自分の変わった体を実感して幸せを感じれるのです。
筆者が筋トレが好きになった大きな理由は、筋トレが運に左右されないことです。
持って生まれた才能や運は関係なく、自分が努力した分がそのまま体に反映されるのです。
「食べずに我慢した1枚のクッキー」「限界でやった残り1回の腕立て伏せ」
こうした小さな勝負の積み重ねが、今の自分の体なのです。
こんなに分かりやすくてごまかしのきかない勝負って他にあるでしょうか?
“泣きそうになってやった10回の腕立て伏せ”
この日から全てが変わりました。