オヤジの独り言

『団塊ジュニア世代』は不幸?「受験戦争」「就職氷河期」全てを経験した筆者が思うこと

「団塊ジュニア」とは日本で1971年から1974年に生まれた世代のことを指します。

毎年200万人以上が生まれてきた世代でもあり、団塊世代に次ぎ人口のボリュームが多いとされています。

人口のボリュームが多い

という事は、国や社会が「団塊ジュニアをどう扱うか?」という点で、舵取りを間違えば国力が衰退していく事になりかねないことを意味します。

読者の中には、団塊ジュニア世代が会社の上司だったり、自分の親だったりする方も多いと思います。

「子供を怒れない親」

「自分の事しか考えない上司」

「体育会系で精神論を振りかざす上司」

色んな人がいるでしょう。

今の団塊ジュニア世代を作った時代背景や、今抱えている問題について理解を深めることは彼らとの付き合い方を学ぶ意味でも、他の世代にとって無駄にはならないと思います。

団塊ジュニア世代とは何なのか?

団塊ジュニア世代が、今の思想や価値観を形成する上で影響を受けた出来事も絡めて、筆者(47歳)の当時の記憶を振り返りながらご紹介したいと思います。

 

 

団塊ジュニア世代が影響を受けた親の教育や価値観

幼い頃からの強い競争意識

筆者が小学生の頃は「塾」以外でも「そろばん」や「習字」「ピアノ」「水泳」など様々な習い事をしている同級生がたくさんいました。

筆者自身も水泳部で厳しい練習を終えた後で、バスに乗ってこれまた練習の厳しい水泳教室に通うというハードな日々を送る小学生でした。

幼い頃から「周りより少しでも上手になりなさい」と繰り返し教育(調教?)されていた日々を懐かしく思い出します。。

 

人口のボリュームが多い

という事は「競争意識がない子供は落ちこぼれる」ことを意味します。

ある時、親同士が共謀して、学校から帰ってからも親が順番に先生代わりとなって子供に勉強を教える体制までつくられた時にはさすがに辟易したこともありました。

当時は遊びたい盛りで親の気持ちなど知る由もなかったのですが、今後の人生で筆者が直面するであろう受験や就職、出世といった過酷な競争環境を予見しての親心だったのでしょう。

もともとマイペースで、争い事が嫌いな筆者に競争意識を芽生えさせるのは大変な作業だったと思います。

このように団塊世代の親たちの多くは教育熱心であり、自分の子供を大学まで行かせる事を自分の使命と考えて子育てをしてきました。

学校では学年の成績上位者の名前と点数を廊下に張り出し、教師がテストを配る際も点数が高い生徒と低い生徒の扱いはあからさまに違ったのです。

そうした背景もあり、団塊ジュニア世代は子供の頃から強い競争意識を育てられていきました。

 

「マイホーム主義」「一国一城の主」

団塊ジュニア世代が親から影響を受けた価値観の1つに「マイホーム主義」があります。

今でこそ、「賃貸派かマイホーム派か?」なんて論議が活発に展開されていますが、当時は

“男なら一国一城の主になれ”

という考え方がまだ主流派だったように思います。

多くの場合、団塊世代が給与の高い現役時代の頃に家を建てるのですが、筆者のように親が転勤族で賃貸物件での暮らしが長い人も少なくありませんでした。

「マイホームを持ってこそ一人前」

という価値観を持っていた親としては歯がゆかったと思います。

親族や会社の同僚が家を建てたという話をする父親の背中を見ていたので、筆者が感じていたプレッシャーは決して小さくありませんでした。

元々、こだわりのない性格でしたが、いつの間にか筆者も自分の家を持つことが人生の目標の1つになっていました。

「苦労が美徳」

団塊世代には「苦労が美徳」という価値観をもつ人が多いです。

働く際も小細工をせず、人の何倍も働き額に汗を流して稼ぐお金にこそ価値がある、という考え方です。

筆者の両親も「苦労した分の見返りがある」と信じていました。

当時の筆者は子供心に

「なんで進んで苦労をしなきゃいけないの?」

と思ってましたが、子供の疑問に耳を傾ける大人はいません。

 

どこにいても周りの大人たちが発する言葉に大きな違いはなく

『苦労は買ってでもしろ』

という言葉が今でも耳に残っています。

また

『石の上にも3年』

『能力が平凡なら人の倍やれ』

など似たような言葉も教師や周りの大人からよく言われました。

 

当時、私たちが目標とするべき偉人は「二宮金次郎」でした。

本来の二宮金次郎は商才に長けていて、自分で商売を考え豊かになった人なのですが、当時、私たちに教えられたのは『努力の象徴』であり

寝る間も惜しんで勉強した人」という点ばかり強調されて教えられました。

 

今でも努力を否定するワケではありませんが、二宮金次郎を違う視点で捉えて

“頭を使って要領よく動け”

“人が考えないことに注目しろ”

と教えてくれる大人がもしいたら…

と考えなくもありません。

それほど現代では

「今日の常識が明日の非常識」

と言われるほど世の中の価値観がめまぐるしく変わる時代なのです。

結局のところ「生きる力」とは、闇雲に勉強するのではなく、状況を見定めながら変化に適応していく力だと思うのです。

 

団塊ジュニア世代の結婚観

「夫は正社員で会社内では中堅クラス、年収も十分で妻は2~3人子育てしながら専業主婦で家族が暮らしていける」

団塊世代が家計の屋台骨だった当時は上記のような家庭が平均的であり、世帯ごとに実施したアンケートでも自分が中流階級だと感じている人が半数以上もいました。

 

子供がもっているイメージの大半は、幼い頃から育てられた両親の影響を色濃く反映しています。

「父親のような収入を稼ぎ、結婚をして子供を2~3人つくる」

当時、子供心に漠然と抱いていたプランは大きく崩れていきました。

団塊ジュニア世代にとって不幸だったのは、景気や社会情勢の影響を受け両親らのように家庭をもてるほどの収入がなかったことです。

そして、自分の思い描くイメージとのギャップに苦しみ

「今の労働環境や収入では結婚は難しい」

と結婚に対して慎重になり、婚期を逃がしてしまった人が多いのです。

男性の生涯未婚率(生涯1度も結婚しない人)が5人に1人と言われているデータからも、この厳しい現実が見て取れます。

 

団塊ジュニア世代の大学受験と就職

団塊ジュニアの熾烈な大学受験

当時の大学受験は『受験戦争』と言われるほど競争は熾烈を極めました。

80年代中期から90年代中期の大学受験は、「全入時代」と言われる現在では考えられないほどの低い不合格率でした。

大学進学を目指す人が圧倒的に多く、大学に合格するのは非常に狭き門だったのです。

当然、多くの不合格者を見込んで予備校が乱立し、進学塾や大手予備校のCMを見ない日はないくらいでした。

 

そして、書店にいけば受験生をターゲットにした本が数多く店頭に並んでいました。

 

『これだけは覚えよう!必須英単語300選!』

『スラスラ分かる!有名私大に合格できる読解力を身につける!』

『今からでも間に合う!速記術で学習効率アップ!!』

 

などなど、派手な文句とカラフルな帯に包まれた参考書がいつでも沢山置かれていました。

中には『ライバルを蹴散らすマル秘テクニック』

みたいな変わり種もあり、中身を見てみると

 

・1週間入浴しないで体臭を強くする。

・鉛筆の音をわざと大きく立てる。

などといった、ライバルたちの集中力を奪う方法まで紹介してある始末でした。

もちろん実践することはありませんでしたが、思わず笑ってしまうようなバカバカしさのおかげで、つかの間の息抜きになったのを覚えています。

 

当時は勉強が得意な人も苦手な人も、皆が血眼になって毎日、机に向かって夜遅くまで勉強していました。

1日10時間勉強しても、たまに体調不良で寝込んだりすると

「この間にライバルたちに差を広げられるのではないか?」

と気になってしまい、ゆっくり休めなかったものです。

 

現在の受験では血眼になるような猛烈な勉強は必要でなく、余裕をもって楽しみながらの受験勉強であり、定期試験の延長の感覚で十分だとも言われます。

少子高齢化の影響により、当時よりも受験者数が大幅に減少した一方で、大学数は増えているわけですから当然の状況です。

 

大学卒業期にバブルが崩壊「就職氷河期」下での就活

団塊ジュニア世代は、歴史的に最も高い倍率の受験戦争を戦ったにもかかわらず、就活で苦しんだ世代です。

団塊ジュニアが大学を卒業し就職する頃にバブルが崩壊し、就職氷河期を迎えたのがその理由です。

当時、景気が大きく後退する中、多くの企業が新卒者採用を抑制したため「採用ゼロ」の企業が続出し、新規求人有効倍率も1998年に0.9まで下がりました

国公立大学や難関私大を卒業した人たちが、何十社に応募しても書類選考で全て落とされ面接まで辿り着けないといった状況に陥ったのです。

新卒者が非常に困難な就職活動を強いられた結果、契約社員や派遣社員、アルバイトなどの非正規雇用で妥協できるか否か、非常に厳しい決断を迫られたのもこの頃でした。

団塊ジュニア世代たちがもう数年、早く生まれていれば、バブル期の恩恵を受けてすんなりと就職を決めることができた事を考えると”運命のイタズラ”としか思えません。

 

ちなみに1973年生まれの筆者は、高校卒業する年にある大手企業から「うちに来ないか?」とお誘いを頂いたことがあります。

色々と考えた結果、「大学に進学した方が生涯獲得賃金が多い」という両親のアドバイスで丁重にお断りしました。

その後、就活に苦労し『基本給11万5千円~16万円』の求人票が並ぶハローワークでうなだれる自分の姿がいるなんて、当時は夢にも思いませんでした。

 

就職後の「リーマンショック」「派遣切り」

当時、団塊ジュニア世代は厳しい就職戦線をくぐり抜け、運よく正社員として就職できた後も景気の低迷は続いていました。

ようやく入社できた会社も上司が丁寧に指導してくれる職場にはほど遠い状況でした。

それどころか世間では、入社早々に業績が悪化する会社の立て直しをはかるため、リストラを敢行する企業も出始めた頃です。

そして更に日本経済に大きな影響を与えたのは、2008年に起きたリーマンショックでした。

この世界経済をも揺るがす大きな出来事により世界規模の金融危機が起こり、日本経済に大きな打撃となったのです。

それまで日本経済を支えてきた製造業を中心に、派遣社員の解雇が大量に発生した頃です。

当時「派遣切り」と呼ばれ、センセーショナルな出来事として連日、マスコミ各社で大きく報道されていました。

 

泣く泣く派遣切りにあったされた人たちの中には、正社員になれなかった当時30代の働き盛りだった団塊ジュニア世代も多く含まれていました。

中には少ない年収でも質素倹約に努め、ささやかな家庭を築いていた人たちも多くいたことでしょう。

企業側にとっても不本意だったでしょうが、ここでも団塊ジュニア世代は苦難に見舞われたのです。

 

団塊ジュニア世代の老後

団塊ジュニア世代の定年問題

『55歳で定年』

そんな時代があったのなんて、今では想像もつきません。

この先、『定年70歳』の時代がそこまで来ています。

定年が段階的に引き上げられるべく法整備が着実に進む中、描いていた将来のプランニングの大幅な変更を余儀なくされ、不安や焦りを感じてい方も多いでしょう。

その中でも特に大きな不安感をもっているのは、若く時間が残された20代よりもやはり40代後半を迎える団塊ジュニア世代でしょう。

就職氷河期や就職後のリストラなど経済的に厳しい時代を直に経験してきたため、危機感が他の年代よりも大きいのもその要因かと思います。

政府がよほど思い切った政策をとらない限り、どうやら団塊ジュニア世代は自分たちの老後にもよほどの覚悟をもって難局に対峙しなければいけなくなりそうです。

 

団塊ジュニア世代を狙った年金改悪

団塊ジュニア世代が将来受け取れる年金額は、現在年金生活を送っている団塊世代よりもかなり少なくなると言われています。

それは予想というより、ほぼ確定している事実と言っても良いでしょう。

その理由は、もちろん少子高齢化の問題です。

2014年では現役世代の2~3人で高齢者を支えていたのが、2040年、つまり団塊ジュニアが65歳の定年を迎える頃には1.5人で1人を支えなければいけない状況になります。

これは、世界でも例を見ないほどの驚異的な数字です。

日本の少子高齢化に有効な対策が取られない以上、団塊ジュニア世代の年金額をカバーすることはもはや不可能でしょう。

 

おわりに「団塊ジュニア世代は不幸な世代なのか?」

その人口ボリュームの大きさから「史上最大の受験戦争」を経験し、「就職氷河期」の到来によって就職先を絞られ厳しい職場環境の中でこれまで生きてきました。

就職してからも「リーマンショック」や「派遣切り」「45歳以上を狙ったリストラ」など数々の困難も経験しています。

団塊ジュニア世代の身には今後も休む間もなく「定年の引き上げ問題」や「年金支給額の減少問題」など、難局が次から次にやってきます。

 

“失われた30年”

“ロスジェネ世代”

 

団塊ジュニア世代を形容する言葉には世間の同情を呼ぶものが多いように思います。

私たち団塊ジュニア世代は、本当に「努力が報われない可哀想な世代」なのでしょうか?

確かに個々の努力が及ばない”時代”という波に翻弄された世代とも言えますが、だからと言って私たち団塊ジュニアは「不運」と嘆く必要など全くありません。

国内限定のしかもたった数十年というごく限られた歴史だけを見て、自分たちの境遇を「不幸だ」「可哀想だ」と決めつけるのは、あまりにも視野が狭く滑稽です。

世界には今でも明日食べる物がない人や、明日まで生き残れるか分からない危険な場所に身を置く人たちが多く存在するのです。

私たちはこれまでの生い立ちを不運だと嘆くのではなく、自分たちが生きた証を現世で残すことを考える方が健全な生き方ではないでしょうか?

筆者はこれからも、団塊ジュニア世代を応援していきます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

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