ブラック企業

介護施設で印象に残った高齢者の言葉/言葉の裏に隠された心情が時に涙を誘う

こんちは。ぷ~すけです。

筆者はもうかれこれ福祉業界に20年ほどいますが、「ブラック施設」や「ブラックよりな施設」は数え切れないほど見てきました。

ブラックな体質は経営陣や中間管理職の人間であって、ご利用者自体は良い人がほんと多かったです。

筆者が社長や上司のパワハラに心を折られながらも、立ち上がるだけの力が残っていたのは「ご利用者との関わりで心を癒やされたから」とも言えます。

そこで今回のテーマを思いつきました。

これまでご利用者(高齢者)が発言された言葉の中で、特に筆者が印象に残っている言葉をご紹介したいと思います。

印象に残っている言葉は、どんなシチュエーションで言われたか?すべて覚えています。

言われて心が温かくなったり、おもわずツッコミを入れたくなったり、当時の自分の心情も思い出されます…。

さて、いきます。

介護施設:印象の残った高齢者の言葉『あんたのことが大好き』

この言葉は筆者が90歳の女性ご利用者から言われた言葉です。

私生活でほぼ言われたことのない言葉でしたので、言われた瞬間、意味が分からなくて「キョトン」と動きが止まってしまいました。

ご利用者の表情を見て、言われたことの意味が分かると顔が「カ~ッ」と赤くなるのが自分も分かりました。

筆者がいつも通り、この方の身の回りお世話をしていた時にさらっと言われた言葉です。

この方は感謝の気持ちで筆者に言って下さったと思います。

男女関係なく介護業界では、直接ケアしているスタッフが異性のご利用者から「好き」と言われる頻度は割とよくあります。

ちなみに、男性ご利用者が女性スタッフに言う時は、もっと直接的な意味合いの場合が多いです。

はっきり言ってセクハラ発言です。

そういう時は、ご利用者のご家族にお伝えしたら良いのどうか…毎回悩みます。

近隣の施設にもセクハラの対応の仕方を聞いてみましたが、どこも対応に苦慮されてるようで統一した対応はされていない印象でした。

ご家族にとってもナイーブな問題なので、難しいですね。

介護施設:印象に残った高齢者の言葉『痛くないよ』

90歳を超えていた女性ご利用者の全身に、癌が転移している事が判明した後のことです。

スタッフは、絶対に痛いだろうと思いながらお声掛けするのですが、「何も痛くないよ」とその方は顔色一つ崩さず言うのです。

筆者の後ろで控えていたスタッフが、筆者にだけ聞える声量でボソッと

「いやいや、ぜって~痛いから」

 

その方の子供さんから聞いたのですが、若い頃からとても我慢強かったそうで、どんな時でも本人の口から「痛い」と言う言葉を聞いたことがなかったとか。

似たようなケースはたくさんありました。高齢者は我慢強い方が多いです。

中には認知症だったり加齢で痛覚が衰えている方もいますが、そういう方は普段接しているとある程度分かります。

一言「痛い」と口にすれば、施設でも医師が痛み止めの頓服を処方したり、痛みが少しでも和らぐ体位にしたりと、やれることは色々とあります。

それでも自分のために人の手間をかけさせたくないという強烈な思いがあるのです。

戦前生まれの方々は、家族のため、そして「人様に迷惑をかけない」ようにと幼い頃から教育された方が多く、そういった時代背景も関係しているのかなと思います。

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介護施設:印象に残った高齢者の言葉『あの子を一人にさせられない』

最後は、ほっこりしたエピソードです。

言葉の主は100歳間近の女性です。

入所されていた方なのですが、この方には一人娘がいてその娘さんは未婚でした。

普段は温厚で他人に干渉せず、静かに過ごされる方なのですが、この日は「家に帰らなきゃいけない」と少し興奮した様子でスタッフに詰め寄っています。

後になって理由がはっきりしたのですが、つまり娘さんを想う親心だったんです。

施設にいると他の多くのご利用者と一緒にご飯を召し上がるケースがほとんどです。

自分が大勢でご飯を食べている一方で、家では一人でご飯を食べている娘さんのことが不憫に感じてたそうです。

その溜まっていた想いが行動に表れたようです。

娘さんにこの件を伝えると笑ってましたが、目の奥はうっすら涙がにじんでいるようにも見えました。

母親の愛情を十分に感じておられたと思います。

おわりに

まだまだ、ご紹介したい言葉はたくさんあるのですが今回はここまでに致します。

今、国内では単身世帯や核家族が増えて、若い世代の方がお年寄と接する機会が減りました。

今回は筆者の記憶に残る言葉を選んでご紹介しましたが、感情を揺さぶられるような言葉は、何年経っても覚えているものですね。

今回は短いセリフばかりをご紹介しましたが、滅多に聞けないような貴重な体験談をご利用者からお聞きしたこともあります。

この話1つだけで、本が1冊書けるんではないか?と思うほどのボリュームです。

今の価値観では想像できない程の貴重な体験や、また心豊かな経験をされてきた方々のお話を聴くと胸が躍ります。

《事実は小説より奇なり》

といった言葉が思わず浮びます。

筆者は当時生まれていない時代の話なのですが、まるでその場にいたかのような臨場感のあるお話を聞くこともあります。

長く生きてこられた方々の生の話を聞くのは、本当に貴重で自分にとってかけがえのない経験です。

中にはご自分のお子さんにさえ話したことのなかったエピソードを教えて下さる方もいて恐縮します。

今後、ご利用者から聞いた楽しいお話やワクワクするようなお話をご紹介していけたら、と思います。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。