今までも過去記事に書いてきましたが、以前、ブラック介護施設で5年間勤務していました。
「介護、飲食業界はブラックが多い」
とよく言われていますが、介護施設は
「給与は少ないけど、人間関係は他の業界より築きやすい」
という思い込みがあったんですよね。
福祉を志す人が集まる業界だから…というのがその根拠なんですが、まあ当然、どの業界にもひどい人間はいる訳です。
筆者がその施設に勤めるまで高齢者施設と一般病院でも就労しているのですが、仕事は大変でも周りの人は良い人が多かったんです。
そりゃあ、中には意地悪するような性悪な人間もいましたが、少数派なので職場内で大きな権力をもつことはありません。
しまいには居心地が悪くなったのか、数年で辞めていくケースがほとんどでした。
ブラック介護施設に入職
プライベートで辛いことがあり、抜け殻のような精神状態での就活でした。
ようやく心を取り戻して就活です。
決め手となる資格を当時、取得してなかったので就職試験すら受けれないというやり取りが続きました。
それでも、ある施設から「是非、面接に来て下さい!」と言われて訪問したのが運悪くブラック企業でした。
その後、違和感だらけの面接試験を経て、採用が決まり入職となるわけですが、過去、会社に採用が決まった時のような「高揚感」や「緊張感」は皆無でした。
何かね..
嫌な予感がしたんです。
上司も社長も良い人そうに見えるし、言葉使いも丁寧で親切なので、「何が気に入らないの?」と聞かれると困るのですが
試験面接の日を入れて3回ほど、会社を訪問してるのですが「つくられた空気感」が半端なかったんです。
本音を見せないし言わない、何か隠しているような…そんな相手の考えが見えない不安感があったように思います。
初出勤の日が決まると、頭が「ずーん」と重くなって動悸がする。
「あ、今度から本当にここに勤めるんだ」
この先のことを考えると胸が締め付けられるように苦しくなってくる…
やばい、このままだと初日から出社拒否だ
「そんなみっともないことできない」
と感じ「エイや!」
と自分の気持ちを奮い立たせて家を出ました。
毎日が違和感の連続(明確なパワハラはまだない)
他のスタッフさんとの会話、上司とのやり取りの中で一つ気付いた事がありました。
・皆が社長にすごく気を遣っている
・社長もそれを普通に受け入れている
社長なんだから当然かもしれませんが、スタッフの言葉使いが異様に丁寧なんですよね。
全く親近感を感じないというか、社長からの伝言を聞く時も「社長のお言葉」みたいな感じなんです。
社長の発言は命令であり反論はしちゃいけない、もしどうしても意見を言いたい時は相応の代償を払う覚悟をしなければいけない。
職員間でそういった認識や暗黙のルールがあることを、1週間くらいの間で感じ取ることができました。
この先、自分の精神状態がどうなるか
仕事に来るのが嫌で嫌で仕方がない状況まで追い込まれるのか
様々な想いが駆け巡りますが、どちらにせよ自分の将来に暗雲が立ちこめてきたように感じました。
いよいよブラック企業で「陰湿なパワハラ」が始まる
職員が社長に業務連絡する様子を見て、職員の緊張感が嫌になるほど伝わってきてました。
「尊敬」や「憧れ」の人を前にしての緊張感とは違い、「何か気に障ることを言ったら怒鳴られる」と思っている人がする怯えた表情でした。
社長は厳しい言い方をする人でした。理詰めで反論を許しません。
言葉の揚げ足取りも多くて、話の本質がぶれてしまうので会話はいつも消化不良。
とにかく言われた通りにしろ、言いたいことがあるならやってからにしろ、それが口癖でした。
言われた通り、意見を言わず、言われたことのみを黙々とやり続ける日々でしたが、なにしろこの社長は求めるレベルが高い。
トイレ掃除にしろ、レポートの提出にしろ、質も量もケタ違いです。
トイレ掃除は1つの便器を何十分と磨いても「まだ臭いがする!」と言って、掃除完了の許可を出してくれません。
そのまま2時間以上かけて汗だくで磨き続けていると、上司がやってきて怒るわけです。
「トイレの掃除くらいで何をそんなに時間かけているんだ!?」
もっともです。でも、それ社長に言って下さい。
どうせ社長とのやり取りを聞いてたでしょ?
で、「あんたなんかに任せてたら日が暮れる!自分がやるからどけ!」
ともっともらしいことを言って代わるわけです。
筆者が散々磨いた後の便座や床を、また磨き始めます。
(まるで喜劇だよ)
で、上司が「自分が掃除を終わらせた」みたいな顔で出てくる。
後日、社長と上司からの公開処刑が待っていました。
他のスタッフがいようが、ご利用者が聞いていようが関係ありません。
言い分すら聞く耳はなく、一方的に筆者を言葉責めです。
よく「飴とムチ」と言いますが、「ムチ」だけですね。
しかもとびっきり長くてトゲがあって殺傷能力が高いヤツです。
つまり、こちらの精神的ダメージを狙って露骨な人格攻撃です。
その強力なムチを延々と容赦なく、ひたすら振り下ろし続けます。
おそらく上司は
「あいつはトイレ掃除すら満足にできない、やる気がない、掃除も大事な仕事なのに舐めている!」
というような内容の話を社長に言ったことでしょう。
いつも筆者をダシにして、自分がいかに仕事に真摯に取り組んでいるかというアピールを欠かさない人ですから。
筆者へのこうしたパワハラ(言葉編)が始まり、そして常態化していきます。
この後、パワハラ(傷害事件編)と続くのですが、そこは別記事で詳しく書いてますので、よろしかったらご覧下さい。
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おわりに
今回は、【ブラック介護施設でパワハラが始まるまでの様子や心境の変化】などを綴ってみました。
当時の感情を思い出して書いているので、文章が乱雑だったり表現が不適切な箇所があったらお許し下さい。
当時の社長や上司に言いたいことは山ほどありますが、ブラック企業の経験を経て今の自分があるというのも事実です。
過去は過去で否定はしませんが、パワハラ行為が犯罪であるのも厳然たる事実です。
パワハラ行為をしていた人間は、法律のそして社会的な制裁を受けるべきだと思います。
それらから逃げて、自分たちの都合だけを優先して施設運営をしていたことが罪に問われないのは正直納得ができませんが、「いつか天が裁いてくれる」と思う事で筆者の心の平穏が保たれています。
~この記事を読んで下さった皆さんへ~
ひたすら努力をし、耐え忍ぶことを決める前に、
『それが自分の人生に価値のある努力なのか?』
よく考えましょう。
少なくとも『自分から勧んでやりたいと思うこと』でなければ、やる価値はないと思います。
時間は有限です。
嫌な環境で我慢して働き続けるよりも、頑張った事が自分の望んだ成果に繋がるような努力をしましょう。