『トイレの神様』
という歌詞の歌が以前、流行りましたが、皆さん覚えているでしょうか?
ちなみに
「成功者は自ら率先してトイレ掃除をしている」
という話を耳にしたことはありませんか?
今回は《トイレ掃除》がテーマです。
私たちが毎日使っているトイレですが、使えば汚れるので掃除が欠かせません。
一方で、汚れや臭いが気になる場所なので、率先して掃除をしたいという人は多くないのではないでしょうか?
そんな中、地位も名誉もお金もある人たちが《自分からすすんでトイレ掃除をする》ケースも確かに存在します。
北野武さんや、松下幸之助さんなどが有名ですね。
彼らは
「自ら率先してトイレの掃除をしている」
という話を耳にしたことがありますが、どういった意図があってトイレ掃除をするのでしょうか?
目次
トイレ掃除と真剣に向き合うようになった日
今まで筆者は自分の家のトイレを掃除するくらいでした。
キレイになればスッキリはしますが、掃除するからといって特別な感情は湧かず淡々としていたのです。
普通はそんなもんですよね?
それが転職して職場が変わったことで、トイレ掃除が筆者の「仕事」になったのです。
仕事である以上は手を抜けませんし、厳しい上司の目もあったので真剣にトイレ掃除に取り組みました。
そこからです、トイレ掃除をして見える景色が変わったのは…。
その会社には5年間在籍しましたが、その間トイレ掃除はほぼ毎日やりました。
トイレ掃除のおかげで、自分の視野が広がる貴重な経験ができたと思っています。
職場には二つの様式便器があり、トイレ掃除にかける時間は40分から長いと1時間以上かけることもありました。
『使う方が気持ちよく利用できるように』
そんな上司の厳しい指導もあって、ぞうきんや歯ブラシを使い分けながら毎日ゴシゴシと脇目も振らずやったものです。
掃除のやり方自体はオーソドックスでしたが、時間をかけて丁寧に掃除することを心掛けていました。
毎日、ゴム手袋をはめて便器に付きそうになるほど顔を近づけ、細かな汚れも見逃しませんでした。
トイレを利用されるのは高齢者が多かったので、上手に排泄できず床が尿で“びしょびしょになる”ことはよくありました。
オムツ交換でもそうですが、他人の糞尿をキレイにする仕事を喜んでする人はまずいないと思います。
「汚い」
「臭い」
「重労働」
3つが当てはまるような大変な作業です。
掃除の時はトイレにこもって、時には1時間もかけて黙々とトイレ掃除をします。
周りには誰もおらず孤独な作業です。
不満が口に出そうな日もありましたが、そんな時に北野武さんの過去の
『トイレ掃除は自分でしている』
という話を思い出したのです。
“こんなキツいことをなんで自分からするのか?”
そう思いました。そして
「トイレ掃除には何か別の意味があるんじゃないか?」
という疑問が湧いてきて、実際にトイレ掃除をしながら考えるようになったのです。
これからご紹介することは筆者が5年間、職場でトイレ掃除をして感じた率直な感想です。
自分でトイレ掃除をしている“成功者”と言われる人たちが、トイレ掃除によってどんな「気付き」があってそれが仕事にどのように活かされたのか?
底辺労働者の代表として、ご紹介させて頂きます。
トイレ掃除のメリット『心が穏やかに謙虚な気持ちになる』
来る日も来る日もトイレ掃除をやっていると、自分が謙虚な気持ちになっていきます。
人間はどんな謙虚に見える人でも、どこか傲慢で自分勝手な面があるのが普通です。
・自分の思い通りにいかなくてイライラする。
・うまくいかない事を他人のせいにしてしまう。
あなたも思い当たることはあるのではないでしょうか?
筆者もありました。
それがトイレ掃除をしていると、自分が尊大になっていたことに気付いて、心が洗われていくように感じます。
“なぜだろう?”
その原因を筆者は考えてみました。
便座やトイレの床磨きをする時って、腰をかがめたりしゃがんで低い姿勢で磨きます。
そうすると当然、自分の頭の位置が低くなります。
同じ建物の中に人がいるとしたら、他の誰よりも低い位置から周りの人を見上げる格好になりますよね?
正に原因はそこなんです。
視線は心のあり方に大きく影響を与えます。
ずっと下を向いて歩いていると猫背になって自信がなさそうに見えますし、反対に車高の高い車に乗って周りのドライバーを見下ろす位置になると気持ちが大きくなります。
同じようにトイレ掃除で低い姿勢になることで、自然と気持ちも低姿勢、謙虚になるのではないか?
ただし、これは良い面ばかりとは思いません。
筆者のようにブラック企業に身を置いていた人間にとって、“低姿勢”が行きすぎて
『卑屈な心』
になる危険もあるのです。
パワハラをする社長や上司は常にマウントを取りたがっています。
そんな人間は、かがんでトイレ掃除を一心にやっている筆者を見て尊大な態度をとることも多かったのです。
本来なら筆者に対して
「誰しも嫌がる事を熱心にやっている」
という評価をしても良さそうなものですが、良心が欠如した人間には望めません。
トイレ掃除をして低姿勢・謙虚な気持ちになっている人間と、尊大で良心のない人間という構図では、後者が前者を利用する可能性が大きくなる、というのがデメリットに感じます。
とはいえ、前述した『一流芸能人』と言われる人の一部が、トイレ掃除をする理由が分かった気がします。
《一流芸能人がトイレ掃除をする理由》
・自分の能力を過信しないように。
・他人を見下して尊大な態度をとらないように。
・自分を管理できる人間になるように。
どうですか?
北野武さんをみていると、当てはまりませんか?
トイレ掃除のメリット『他人への感謝の気持ちが生まれる』
頭を低くして掃除をしていると、ふだんは気付かなかった床の汚れがよく目立ちます。
尿便はもちろんのこと、髪の毛や埃、トイレットペーパーの切れ端や小さな虫の死骸、糸くずやご飯粒に至るまで実に色んなゴミが落ちています。
誰も掃除をしないと、トイレはこんなに汚れるものか!?
と驚きます。
自分が今まで何気なく使っていた外出先のトイレが清潔なのは、掃除してキレイにしてくれる人がいるからだ…
と当たり前のことに感謝するようになるのです。
そうしたゴミを拾いながら、
「使う人がうっかり踏んでいたら、気分を悪くしただろうな」
と、他人の心情まで考えるようになるのです。
「使えば汚れるのはトイレも他の場所も一緒」
と考えて、トイレ以外の場所もゴミが落ちていないか見るようになったのです。
その様子を見る人は見ていてくれます。
「ありがとう」
「いつもキレイなのはあなたが掃除してくれたおかげだね」
とお礼を言って下さる方も増えました。
初めてお礼を言われた時は逆に驚きましたし、後から幸せな気持ちがジワジワとやってきて1日中優しいオーラに包まれているような気分になりました。
「足下のゴミを拾う」という行為は簡単そうに見えますが、習慣にしている人は少ないと思います。
トイレ掃除よりずっと楽ですし、簡単です。
ご自分の会社で1度やってみてはいかがでしょうか?
自分の知らなかった一面が見れるかもしれません。
“ゴミ拾いは自分の仕事じゃないし”
と考えている方が大半でしょうが、この行為は自分が幸せになるための手段の1つになる可能性を秘めています。
ひとまず1ヶ月間、やってみませんか?
筆者も職場が変わってから、すっかり怠けていましたので、再開したいと思います。
トイレ掃除のメリット『晴れやかな気分になる』
汚れていた窓ガラスを拭いてキレイにした時、何とも言えない清清しい気持ちになりますね。
それと一緒で、毎日使っているトイレを自分が掃除してピカピカにすれば気持ちが晴れやかになります。
“こんなに汚い仕事はやりたくない”
と考えてしまう時は、心が低空飛行の時です。
そんな時は、自分の行いが仕事とはいえ、多くの人から喜ばれるものであることを改めて自覚しましょう。
それまで汚れていた場所が、自分が手を加えることでピカピカになるのです。
汚れていた公衆トイレ見れば人は嫌な気持ちになります。
自分がキレイに掃除したトイレを使った人の笑顔を想像すると、とても晴れやかな気持ちになれます。
綺麗になったものを見るのは精神衛生上にも良いと思います。
誰だって汚れた汚い物を見るより、キレイで整理された物を見た方が気分も良いです。
掃除した場所は綺麗になるし、使った人も笑顔になれる…間違いなく素晴らしいことです。
おわりに
さて今回は
・トイレ掃除をすると『心が穏やかに謙虚な気持ちになる』
・トイレ掃除をすると『他人への感謝の気持ちが生まれる』
・トイレ掃除をすると『晴れやかな気分になる』
と、トイレ掃除をする事で心に3つの良い影響を与えるというお話をご紹介しました。
他にも「トイレ掃除のメリット」はあるかもしれませんが、私が実際にやってみて気付いた点だけをご紹介させて頂きました。
今まで「汚い」「面倒くさい」「気乗りしない」等、進んでやる気にはなれなかったトイレ掃除ですが、視点を変えると随分と印象が変わるものです。
最後まで記事を見て頂きありがとうございました。